太陽光パネルの耐用年数は何年?法定耐用年数と実際に使える年数の違い

太陽光パネルの耐用年数|屋根の上でパネルの状態を点検する作業

太陽光パネル 耐用年数と調べると「17年」という数字が出てきます。ただしこれは税務上の年数で、パネルが17年で使えなくなるという意味ではありません。

耐用年数には2つあります。帳簿の上で何年に分けて費用にするかという法定耐用年数と、実際に発電を続けられる年数です。この2つは切り分けて考えます。

この記事では、法定耐用年数がどう決まるのか、用途で何が変わるのか、耐用年数が過ぎたあとに何をするのかを解説します。関東7都県で太陽光パネルの脱着を専門にしている立場から、屋根の上で実際に何を見るのか、外すときに何にいくらかかるのかもあわせてお伝えします。

実際に何年もつか、劣化のサインはどこに出るかは太陽光発電の寿命でご説明しています。

なお、この記事は一般的な整理です。個別の判定や税額については、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

太陽光パネルの耐用年数は2つある

17年は、税務の年数です。パネルが17年で使えなくなる、という意味ではありません。

耐用年数と呼ばれているものには、決め方も使いみちも違う2つがあります。まず、この2つを並べて見てください。

法定耐用年数 実際に使える年数
何のための年数か税務。取得費を何年で分けて費用にするか設備が発電を続けられる期間
決め方耐用年数省令の区分にあてはめる製品の仕様と現場の状態による
よく言われる年数17年(区分によって変わる)20〜30年とされる
どこで確かめるか顧問税理士・所轄の税務署点検・現地調査

税務上の法定耐用年数

法定耐用年数は、設備の取得費を何年に分けて費用にするかを決めるための年数です。減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)の区分にあてはめて決めます。

太陽光発電システムについて、国税庁は「自家発電設備の一つであり、その規模等からみて『機械及び装置』に該当します」としています。パネル、パワーコンディショナ、架台をばらばらに見るのではなく、設備として一体で判定するという考え方です。

よく言われる17年は、耐用年数省令 別表第2「31 電気業用設備」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に定められた年数を指します。

出典:国税庁 質疑応答事例「風力・太陽光発電システムの耐用年数について」(令和7年8月1日現在の法令・通達等)e-Gov法令検索 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)(別表第2)

実際に使える年数

こちらは、設備が発電を続けられる期間です。一般に20〜30年とされます。

実際の年数を決めるのは、製品の仕様と現場の状態です。劣化の原因や、寿命が近いときにどこへ出るかは太陽光発電の寿命で解説しています。

2つが食い違う理由

法定耐用年数は、課税の公平のために区分ごとに一律で決めたものです。製品の寿命を測って決めた年数ではありません。

そのため、17年を過ぎても発電は続きます。逆に、17年より前に不具合が出ることもあります。帳簿の年数と、屋根の上の状態は、別々に確かめる必要があります。

屋根の上の状態は、実際に上がって見ないと分かりません。当店では点検・現地調査でパネルと架台の状態を確認したうえで、外すかどうかのご相談を承っています。

太陽光パネルの法定耐用年数の決まり方

同じ太陽光発電システムでも、何に使っているかで適用される区分が分かれます。17年はあくまで、電気を売る事業として使っている場合の年数です。

売電に使う場合、自家消費に使う場合、住宅に設置した場合の3つに分けて見ていきます。

太陽光発電設備の法定耐用年数は用途で区分が変わることを示す図
使い方 考え方 出てくる年数の例
売電を事業として行う電気そのものが最終製品別表第2「31 電気業用設備」の「その他の設備」「主として金属製のもの」=17年
自家消費し、その電気で製品を作る電気ではなく、その製品の設備として判定国税庁の例では「23 輸送用機械器具製造業用設備」=9年
住宅に設置し、事業に使っていない減価償却の対象は「事業などの業務のために用いられる」資産償却の対象にならない

売電に使う場合

発電した電気を売る事業として使っている場合、電気そのものが最終製品になります。この場合は「31 電気業用設備」の区分で判定し、「その他の設備」の「主として金属製のもの」にあたれば17年となります。

自家消費に使う場合

ここが見落とされやすいところです。国税庁の質疑応答事例には、こう書かれています。

その設備から生ずる最終製品(電気)を専ら用いて他の最終製品(自動車)が生産される場合には、当該最終製品(電気)に係る設備ではなく、当該他の最終製品(自動車)に係る設備として、その設備の種類の判定を行うこととなります。

つまり、発電した電気を専ら自社の製造に使っている場合は、電気の設備ではなく、その製品を作る設備として区分を判定します。

国税庁が挙げている例では、自動車製造業を営む法人が自社工場の構内に設置した太陽光発電システムについて、「31 電気業用設備」の17年ではなく「23 輸送用機械器具製造業用設備」の9年が適用されるとしています。

この9年は、自動車製造の例での年数です。自家消費であれば必ず9年になるわけではありません。

その電気を何の製造に使っているかで区分が分かれます。ご自身の事業でどの区分にあたるかは、顧問税理士か所轄の税務署へお尋ねください。

出典:国税庁 質疑応答事例「風力・太陽光発電システムの耐用年数について」(令和7年8月1日現在の法令・通達等)e-Gov法令検索 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)(売電・自家消費の区分と、17年・9年の年数)

住宅に設置した場合

ご自宅に設置して、事業には使っていない場合です。

減価償却の対象になるのは「事業などの業務のために用いられる」資産です。事業に使っていない設備は、そもそも償却の対象になりません。

自宅の一部を事業に使っていて、そこで発電した電気も使っている、という場合の扱いは個別の判断になります。こちらも個別にご相談ください。

出典:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし(令和7年4月1日現在法令等)

太陽光パネルの減価償却の計算

太陽光パネルの減価償却の計算方法は、定額法と定率法の2つです。中古で取得した場合は、年数の決め方そのものが変わります。

ここでは国税庁の資料に沿って考え方までをご説明します。法人か個人か、いつ取得したかで要件が変わるため、実際の計算は顧問税理士にご確認ください。

定額法

毎年同じ額を費用にする方法です。償却限度額は、取得価額 × 定額法の償却率で計算します。償却率は耐用年数省令の別表で決まっています。

定率法

はじめのうちに多く費用にする方法です。平成24年4月1日以後に取得した資産の定率法は、200%定率法が適用されます。

法人と個人で、選べる方法や届出の要否が変わります。

出典:国税庁 No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分・令和7年4月1日現在法令等)国税庁 No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合・令和7年4月1日現在法令等)e-Gov法令検索 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)(償却率の別表) ※定額法・定率法とも

中古で取得した場合

中古の設備を取得したときは、事業に使った時以後の使用可能期間として見積もられる年数によります。その見積りが難しい場合に、簡便法が使えます。

中古で取得したとき 計算
法定耐用年数の全部を経過法定耐用年数 × 20%
法定耐用年数の一部を経過(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%
共通の決まり1年未満の端数は切り捨て。2年に満たない場合は2年

国税庁が挙げている例では、法定耐用年数30年の資産を経過10年で取得した場合、(30年 − 10年)+(10年 × 20%)= 22年となります。

気をつけたいのは時期です。中古資産の耐用年数の算定は、その中古資産を事業の用に供した事業年度にできるものとされています。

その事業年度で算定しなかったときは、あとの事業年度では算定できません。

出典:国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数(令和7年4月1日現在法令等)(簡便法の20%・国税庁の例の22年・算定できる事業年度)

太陽光発電設備はどこまでが一体か

「パワーコンディショナの耐用年数は何年ですか」というご質問をいただきます。答えは、機器ごとには決まっていません。

国税庁は太陽光発電システムについて、規模等からみて「機械及び装置」に該当するとして、設備全体で1つの区分を判定しています。パワーコンディショナ単体、蓄電池単体、架台単体の法定耐用年数を示した資料は見当たりません。

ここで混ざりやすいのが、交換の目安です。「パワーコンディショナは10〜15年で交換」という話を見かけますが、これは使える年数の目安であって、税務上の耐用年数ではありません。2つは別のものとして扱ってください。

なぜ一体で見るのか。パネルだけを取り出しても電気は作れません。パネル・パワーコンディショナ・架台・配線がそろって、はじめて発電という働きをします。国税庁が「その規模等からみて」と書いているのは、この設備としてのまとまりを見ているためです。

あとから単独で機器を取得した場合の扱いは、その機器が何にあたるかによって判断が分かれます。個別の判断になります。

なお、17年という年数の由来については、業界団体の太陽光発電協会(JPEA)も同じ区分を示しています。

出典:国税庁 質疑応答事例「風力・太陽光発電システムの耐用年数について」(令和7年8月1日現在の法令・通達等)太陽光発電協会(JPEA)「法定耐用年数17年」の根拠は何ですか

耐用年数が過ぎた太陽光パネルの扱い

年数が過ぎたあとの選び方は、そのまま使い続ける/一部を交換する・外す/除却するの3つです。撤去の一択ではありません。

帳簿の処理と、実物をどうするかは別の話です。ここが混ざりやすいところなので、順にご説明します。

耐用年数が過ぎた太陽光パネルの3つの選び方(そのまま使う・一部交換・除却)

そのまま使い続ける

法定耐用年数を過ぎても、発電が続いていれば使い続けられます。償却が終わっていれば、その後の費用は維持管理だけで済みます。

一部を交換する、一部だけ外す

不具合が出ているのが一部であれば、その部分だけを交換する、あるいは外して枚数を減らす、という選び方もできます。

当店でも、次のような工事をお請けしています。

  • 14枚のうち、故障していた2枚だけを撤去処分した(撤去処分は2枚で15,000円)。残りは系統を組み替えて発電を続けています(施工事例
  • 15枚のうち1枚を撤去廃棄し、14枚に減らして戻した(施工事例

全部を外すか、そのまま使うかの2択ではありません。交換の費用は太陽光パネルの交換費用でご説明しています。

除却する

除却とは、資産を帳簿から外すことです。ここで誤解されやすい点があります。

法人税基本通達には、こう書かれています。

たとえ当該資産につき解撤、破砕、廃棄等をしていない場合であっても、当該資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができるものとする

つまり、実際に取り壊していなくても、使用を廃止して今後事業に使う見込みがないと認められる場合は、除却損を計上できることがあります(有姿除却)。

帳簿の処理と、実物の撤去は別です。ただし、実物が屋根に残ったままでは、飛散や雨漏りの心配が消えません。帳簿の処理が済んだあと、実物をどうするかは別に決める必要があります。

もう一つ、実務で出てくるのが金額です。上の通達には「帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として」とあります。処分にいくらかかるか、いくらで処分できるかの見当が要るということです。

当店では、現地調査のうえで取り外し・足場・処分を工程ごとに分けたお見積りをお出ししています。帳簿の処理の前に金額の見当を付けたい、という段階のご相談も承ります。具体的な計上のしかたは、顧問税理士にご確認ください。

出典:国税庁 法人税基本通達 7-7-2(有姿除却)

太陽光パネルを除却するときにかかる費用

実物を撤去する場合にかかる費用です。取り外し、処分、屋根の補修の3つに分かれます。

除却損の計算に使う処分見込価額も、ここの金額が土台になります。

太陽光パネルを撤去するときの費用の内訳(取り外し・処分・屋根の補修)
費目 目安 備考
取り外しの費用1枚 9,000円〜6,000円枚数で単価が変わる。足場を自社施工した場合
処分の費用1枚 5,000円処分場までの運搬とマニフェストの発行費用込み
足場代151,000〜188,400円建物の大きさと形で変わる(実際の工事の幅)
屋根の補修現場による金具を外した跡を塞いで防水処理する

取り外しの費用

当店の標準工事は枚数で単価が変わり、1枚9,000円から6,000円です(枚数別の単価表)。いずれも足場を当店で施工した場合の単価です。

枚数が区分の境目に近いときは、そこもご確認ください。19枚は1枚9,000円で171,000円ですが、20枚だと1枚8,000円で160,000円になり、1枚多いほうが安くなります。

処分の費用

外したパネルの処分費は1枚5,000円で、処分場までの運搬とマニフェストの発行費用が含まれます。

当店では、当店が撤去した廃材を、排出事業者として自社運搬し、提携先の中間処分場へ引き渡しています。引き渡した先では、廃棄物処理法に基づいて適切に処分されます。詳しい内訳は太陽光パネルの処分費用でご説明しています。

屋根の補修の費用

取付金具を外した跡には穴が残ります。塞いで防水処理をする費用が別途かかります。費用は屋根材の種類と穴の数によって上下します。

まずは有資格者による点検・現地調査からご案内します。屋根に上がって、パネルの枚数、取付金具の固定のしかた、架台や屋根材の状態を確認します。

年数が経っている設備ほど、金具や架台の状態によって手間が変わってきます。写真だけでは判断できないところなので、現地を見たうえで工程ごとに分けたお見積りをお出しします。

よくあるご質問(FAQ)

耐用年数と減価償却について、ご相談で多い質問をまとめました。個別の判定は顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

Q1: 太陽光パネルの法定耐用年数は何年ですか?

A1: よく言われるのは17年です。これは耐用年数省令 別表第2「31 電気業用設備」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」の年数です。ただし、その設備を何に使っているかで区分が変わります。

Q2: 17年を過ぎたら使えなくなりますか?

A2: 法定耐用年数は税務上の年数で、製品の寿命を測ったものではありません。17年を過ぎても発電は続きます。実際に使える年数は一般に20〜30年とされます。ご自宅の設備が今どういう状態かは、屋根に上がって金具や架台まで見ないと分かりません。当店では点検・現地調査からご案内しています。

Q3: 自家消費の場合は何年になりますか?

A3: 発電した電気を専ら自社の製造に使っている場合は、電気の設備ではなく、その製品を作る設備として区分を判定します。国税庁の例では自動車製造で9年が示されていますが、何の製造に使うかで区分が変わります。個別の判定は顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。

Q4: 住宅に設置した場合も減価償却できますか?

A4: 減価償却の対象は「事業などの業務のために用いられる」資産です。事業に使っていない自宅の設備は、償却の対象になりません。自宅の一部を事業に使っている場合の扱いは個別の判断になります。

Q5: パワーコンディショナの耐用年数は何年ですか?

A5: 国税庁は太陽光発電システムを設備全体で1つの「機械及び装置」として判定しており、機器単体の法定耐用年数を示した資料は見当たりません。「10〜15年で交換」という話は使える年数の目安で、税務上の耐用年数とは別のものです。

Q6: 中古で取得した場合はどう計算しますか?

A6: 原則は使用可能期間の見積りによります。見積りが難しい場合は簡便法が使えます。法定耐用年数の全部を経過していればその20%、一部を経過していれば(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数の20%です。1年未満は切り捨て、2年に満たない場合は2年になります。

Q7: 除却するときに費用はかかりますか?

A7: 帳簿の処理そのものに費用はかかりませんが、実物を撤去する場合は取り外し・処分・足場・屋根の補修の費用がかかります。当店では取り外しが1枚9,000円から6,000円、処分が1枚5,000円です。除却損の計算には処分見込価額が要りますので、金額の見当を付けたい段階でもご相談ください。

Q8: 撤去だけ頼めますか?

A8: 当店が撤去する工事としてであれば承ります。すでに他社様やお客様が外されたパネルについて、運搬と処分だけを承ることはできません。

出典:国税庁 質疑応答事例「風力・太陽光発電システムの耐用年数について」(令和7年8月1日現在の法令・通達等)(A1・A3・A5)/e-Gov法令検索 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)(A1)/国税庁 No.2100 減価償却のあらまし(令和7年4月1日現在法令等)(A4)/国税庁 No.5404 中古資産の耐用年数(令和7年4月1日現在法令等)(A6) ※取り外し・処分の金額は当店の単価です

外すかどうかの見極めから「太陽光パネル脱着専門店」にご相談ください!

当店は関東7都県で、太陽光パネルの脱着と撤去を専門にしています。有資格者が対応し、12社のパネルメーカーの施工IDを持っているため、保証の条件を満たした形で外して戻す工事にも対応できます。

ご案内は、まず有資格者による点検・現地調査からです。屋根に上がってパネルと架台の状態を確認したうえで、外すかどうかのご相談を承っています。外すことになった場合は、取り外し、足場、処分の費用を分けてお出しします。

外したパネルは、排出事業者として自社運搬し、提携先の中間処分場へ引き渡します。引き渡した先では廃棄物処理法に基づいて適切に処分されます。

まとめ|法定耐用年数は税務の年数。使えるかどうかは別に確かめましょう

この記事でお伝えしたことを、8点にまとめます。

  • 耐用年数には法定耐用年数と、実際に使える年数の2つがあります
  • よく言われる17年は「31 電気業用設備」の区分の年数です。何に使っているかで区分は変わります
  • 発電した電気を専ら自社の製造に使う場合は、その製品の設備として判定します
  • 国税庁は太陽光発電システムを設備全体で1つの「機械及び装置」として判定しています
  • 除却は、実際に取り壊していなくても計上できる場合があります(有姿除却)
  • ただし実物が屋根に残れば、飛散や雨漏りの心配は残ります
  • 除却損の計算には処分見込価額が要ります。撤去と処分の見積りが必要になります
  • 全部を外すか、そのまま使うかの2択ではありません。一部だけ外した工事もお請けしています

個別の判定や税額については、顧問税理士か所轄の税務署にご確認ください。外すかどうかの見極めも含めて、実物のことは点検・現地調査からご案内します。

※この記事の税務に関する記述は、2026年8月23日に国税庁・e-Gov法令検索の一次情報で確認したものです。制度が変わることがありますので、実際のご判断の際は最新の情報をご確認ください。