太陽光パネルの取り外しには、電気工事士の資格が要る作業と、法令上は資格が要らないとされる作業があります。電力系統からの切り離し、接続箱への電線の接続、電線同士の圧着による接続は、電気工事士でなければできません。一方で、パネル同士の差し込み式コネクタをつなぐ作業や、建物の解体などで系統から切り離した設備を撤去する作業は、資格が要らないとされています。
ただし、パネルは日が当たる限り発電を続けます。外して屋根に戻す脱着(一時的な取り外し)には、外す前の系統の切り離しなど、資格が要る工程が必ず入ります。電気工事士がいる業者に任せるのが安全です。
この記事では、経済産業省と東京都の資料、電気工事士法をもとに、資格の線引きと、脱着の工程のどこで資格が要るかを解説します。取り外しの手順は太陽光パネルの脱着完全ガイド、業者選びの全体は太陽光パネル脱着業者の選び方でご説明しています。
当店では、まず資格を持つスタッフによる点検・現地調査で、設備と屋根の状態を確かめてからお見積りします。ご相談は無料です。
太陽光パネルの取り外しで電気工事士が必要な作業
電力系統からの切り離し、接続箱への電線の接続、電線同士の圧着による接続の3つは、電気工事士の資格が必要です。
電気工事士法は、住宅などの電気設備(一般用電気工作物等)の電気工事は、ごく軽い作業として省令で定めるものを除き、第一種か第二種の電気工事士でなければ行えないと定めています(第3条第2項)。経済産業省が出している法律の解説(逐条解説)は、一般用電気工作物の例に「屋根置きで小型の太陽電池発電設備」を挙げています。資格が要る具体的な作業は、電気工事士法施行規則の第2条に並んでいます。
出典:e-Gov法令検索 電気工事士法(昭和35年法律第139号)(第3条第2項)/経済産業省「電気工事士法の逐条解説」(令和6年7月版・PDF)(第2条の解説)/経済産業省「電気工事士等資格が不要な『軽微な工事』とは」(PDF)(施行規則第2条の作業)

電力系統からの切り離し
東京都環境局は、建物の解体業者向けに、住宅用の太陽光パネルの取り外しマニュアルを出しています。このマニュアルは、パネルを取り外すときは電力系統から遮断されていることが必要で、電力系統の遮断には電気工事士(一種または二種)の資格が必要としています。パネルを外す前に必ず入る作業です。
経済産業省の逐条解説も、電気の通り道(電路)を切るために取り外す作業や、接続を外す作業は「電気工事」に当たるとしています。
出典:東京都環境局「使用済住宅用太陽光パネルの取り外しマニュアル【概要版】」(令和7年1月)(2ページ)/経済産業省「電気工事士法の逐条解説」(令和6年7月版・PDF)(第2条の解説5)
接続箱への電線の接続
経済産業省は、電気工事士法についてよく寄せられる質問と答えを資料にまとめています。その中で、電線を集合ボックス(パネルからの電線をまとめる箱)につなぐ作業は施行規則に挙げられた作業に当たるため、電気工事士が行う必要があるとしています。
脱着では、パネルを屋根に戻したあと、パネルからの電線を接続箱につなぎ直す場面がこれに当たります。
出典:経済産業省「よくある質問(電気工事士)」(PDF)(7番)
電線同士の圧着による接続
同じ答えの中で、電線そのものを圧着スリーブなどの部品でつなぐ場合も、施行規則の「電線相互を接続する作業」に当たり、電気工事士が必要としています。
脱着では、傷んだ電線を切ってつなぎ直す場面がこれに当たります。パネル同士のコネクタを差し込むだけの作業とは扱いが違う点は、次の節でご説明します。
出典:経済産業省「よくある質問(電気工事士)」(PDF)(7番)
太陽光パネルの取り外しで資格が不要とされる作業
パネル同士の差し込み式コネクタをつなぐ作業と、建物の解体などで系統から切り離した設備を撤去する作業は、法令上は資格が要らないとされています。
ここでの「不要」は、電気工事士法の区分の話です。誰が行っても安全という意味とは別で、その理由は次の節でご説明します。
差し込み式コネクタの抜き差し
先ほどの経済産業省の質問と答えには、パネル同士のコネクタについての答えもあります。太陽光発電のパネル(太陽電池モジュール)から出ている電線同士を差し込み式の端子でつなぐ作業は、「電線相互を接続する作業」に当たらないため、電気工事士が工事する必要はないとしています。
ただし、この答えはコネクタを「つなぐ」作業についてのものです。「外す」作業の扱いは、次の東京都のマニュアルの説明で触れます。
出典:経済産業省「よくある質問(電気工事士)」(PDF)(7番)
系統から切り離した後のパネルと架台の撤去
東京都環境局のマニュアルは、電力系統から切り離された設備を撤去する作業は、電気工事士法上の電気工事には当たらないとしています。経済産業省の逐条解説も、電路がすでに遮断され、その後は電気を使わない設備を撤去する作業は電気工事に当たらないとし、例に建物を取り壊す場合を挙げています。外したパネルをまた使う脱着とは、前提が違います。
ただし同じマニュアルは、パネルは遮断後も日照で発電するため、接続箱の開閉器を切る作業、パネルのコネクタを外す作業、傷んだコネクタの絶縁処理などは、電気工事に関する知識と経験がある人が行うことが望まれるとしています。
出典:東京都環境局「使用済住宅用太陽光パネルの取り外しマニュアル【概要版】」(令和7年1月)(2ページ)/経済産業省「電気工事士法の逐条解説」(令和6年7月版・PDF)(第2条の解説5)
太陽光パネルの取り外しを専門業者に任せたい理由
資格が要らないとされる作業も含めて、発電、高所作業、メーカー保証、屋根の防水の4つの理由から、太陽光パネルの取り外しは専門業者に任せたい作業です。
法令の線引きとは別に、現場で起きることを4つに分けて見ていきます。
日が当たる限り続く発電
東京都のマニュアルは、パネルは電力系統から遮断したあとも日照で発電するとしています。また、感電のショックで落下するなど二次災害につながるおそれがあるとして、保護帽、低圧絶縁ゴム手袋、作業着などを着けるよう求めています。
出典:東京都環境局「使用済住宅用太陽光パネルの取り外しマニュアル【概要版】」(令和7年1月)(2〜3ページ)
屋根の上での高所作業
同じマニュアルは、パネルの取り外しなどは高所作業になるため、危険な箇所を事前に確かめ、転倒・転落に注意が必要としています。パネルの落下が屋根の下の事故につながることにも触れています。
出典:東京都環境局「使用済住宅用太陽光パネルの取り外しマニュアル【概要版】」(令和7年1月)(3ページ)
メーカー保証の施工条件
脱着がうまくいかないと、雨漏りやパネルの破損に加えて、メーカー保証が切れるおそれもあります(栃木県小山市の施工事例など)。
保証の条件は、パネルのメーカーや保証の内容によって変わることがあります。外す前に保証書を確かめるか、メーカーに問い合わせて、誰が工事をすれば保証が続くかを確かめてください。
屋根の防水処理
パネルを外して戻さない場合は、架台を固定していた部分の屋根を直す作業も必要になります。東京都のマニュアルも、建物を解体せずに住み続ける場合は、屋根の補修や防水処置が必要になるとしています。
電気の作業だけでは終わらない点も、屋根と電気の両方が分かる業者に任せたい理由です。雨漏りとの関係は太陽光パネルの雨漏りでご説明しています。
出典:東京都環境局「使用済住宅用太陽光パネルの取り外しマニュアル【概要版】」(令和7年1月)(3ページ)
太陽光パネルの脱着で資格が要る工程
外して屋根に戻す脱着では、外す前の系統の切り離しに電気工事士の資格が要ります。戻すときに電線を接続箱へつなぎ直す場合も同じです。
当店が行っている脱着の工程に沿って、どこで資格が要るかを見ていきます。どの工程で資格が要るかは、ここまでご説明した法令と資料の線引きに当てはめています。

取り外し前の電圧測定
栃木県真岡市の工事では、取り外す前に接続箱で系統ごとに電圧を測って記録し、再設置したあとにも電圧を測って、取り外す前の記録と比べました。
系統の切り離し
パネルを外す前に、電力系統から切り離します。前の節のとおり、東京都のマニュアルが電気工事士の資格が必要としている作業です。
パネルの取り外し
パネル同士のコネクタを外し、パネルと架台を屋根から下ろします。コネクタが傷んで金属部分が出ている場合は、絶縁の処置をします(東京都のマニュアルが挙げている作業です)。
パネル同士の差し込み式コネクタは、つなぐ作業に資格は要らないとされています。それでも東京都のマニュアルは、コネクタを外す作業を、電気工事の知識と経験がある人が行うことが望まれる作業に挙げています。
再設置後の配線の復旧
屋根の工事が終わったら、パネルを戻して配線を復旧します。真岡市では、カバー工法で新しくした屋根材に合う金具を使い、パネルを再設置しました。
パネルからの電線を接続箱につなぎ直す作業は、前の節でご説明した、電気工事士が必要な作業に当たります。外すときだけでなく、戻すときにも資格が要る作業が入ることがある点が、外すだけの撤去との違いです。
再設置後の発電確認
パネルを戻したら、接続箱の中でテスターを使って直流電圧を測り、系統が正常に戻っているかを確かめます。神奈川県横浜市の工事ではこの方法で復旧を確かめ、埼玉県さいたま市の工事では、施工後に電気工事士がテスターで発電の状況と電圧を確かめました。
当店には電気工事士が在籍しているため、外す前の測定から戻したあとの確認まで、当店の中で行います。外して戻す費用の考え方は太陽光パネルの再設置費用でご説明しています。
太陽光パネルの脱着を外注する元請け業者の確認項目
屋根の工事を請けた元請けの業者様が脱着だけを外注するときは、電気工事士の在籍、足場の手配、屋根工事の工程との合わせ方の3つを確かめます。
業者選びの全体は太陽光パネル脱着業者の選び方と太陽光パネルの撤去業者の選び方に任せ、ここでは外注する側が確かめる項目だけを挙げます。
電気工事士の在籍
系統の切り離しと、戻したあとの接続箱への接続を、外注先の会社の中で行えるかを確かめます。外注先に電気工事士がいないと、電気の作業がさらに外部委託になるケースが多く、責任の所在が曖昧になることがあります。
見積りの段階で、どの作業を誰が行うかを確かめておくと、工事の途中で迷わずに済みます。
足場の手配
脱着と一緒に、足場もまとめて頼めるかを確かめます。当店の群馬県前橋市や栃木県大田原市の工事では、足場の設置から対応しました。大田原市は、当店の足場事業部とお付き合いのあったリフォーム業者様からのご依頼です。
屋根工事の工程との合わせ方
脱着は、屋根の工事の前に外し、工事のあとに戻すため、現場に入る日が分かれます。横浜市の工事では、元請け様の工程に合わせて、2回に分けて現場に入りました。
屋根の工事の日程が決まったら、外す日と戻す日を合わせて相談できるかを確かめてください。
太陽光パネルの取り外しと資格のよくあるご質問
太陽光パネルの取り外しと資格について、よくある質問にお答えします。
Q1 第二種電気工事士の資格で足りますか
A1: 屋根置きの小型の太陽光発電設備は一般用電気工作物の例に挙げられていて、第一種か第二種の電気工事士が工事できます。出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備も、条件を満たせば「一般用電気工作物等」に入ります。出力が50kW以上の設備は区分が変わるため、設備の出力を確かめてください。
Q2 太陽光発電の民間資格は必要ですか
A2: 電気工事士法が電気工事の作業に求めているのは、第一種か第二種の電気工事士の資格です。太陽光発電に関する民間の資格は、法令上の資格とは分けて考えてください。
Q3 塗装業者がパネルも外すと言っています
A3: 外すだけの作業でも、電力系統からの切り離しには電気工事士の資格が要ります。屋根に戻すときに電線を接続箱へつなぎ直す場合も同じです。どの作業を誰が行うかを、見積りの段階で確かめてください。
Q4 作業する従業員に必要な教育はありますか
A4: 労働安全衛生規則の第36条第4号は、低圧(直流750V以下・交流600V以下)の充電電路の敷設や修理の業務(対地電圧が50V以下のものなどを除く)を、特別教育が必要な業務としています。脱着のどの作業が当たるかは作業の中身で変わるため、事業者の方は条文で確かめてください。
出典:経済産業省「電気工事士法の逐条解説」(令和6年7月版・PDF)(A1)/e-Gov法令検索 電気工事士法(昭和35年法律第139号)(A1・A2 第3条第2項)/東京都環境局「使用済住宅用太陽光パネルの取り外しマニュアル【概要版】」(令和7年1月)(A3)/e-Gov法令検索 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)(A4 第36条第4号)
太陽光パネルの脱着なら「太陽光パネル脱着専門店」にお任せください
当店は、関東一円で太陽光パネルの脱着を専門にしていて、電気工事士が在籍しています。系統の切り離しから、パネルを戻したあとの配線の復旧と発電の確認まで、脱着の工程をまとめてご相談いただけます。
前橋市や大田原市では、足場の設置から対応しました。さいたま市や横浜市のように、屋根の工事を請けられている元請け様からの、脱着だけのご依頼も現場ごとにお受けしています。金額は、中間マージンをカットした適正価格でご提案しています。
実際の工事は施工事例で、脱着の金額は枚数別の単価表でご覧いただけます。
まとめ
太陽光パネルの取り外しは、資格が要る作業を見分けて頼むことが大切です。この記事でお伝えしたことを、4点にまとめます。
- 電力系統からの切り離し、接続箱への電線の接続、電線同士の圧着による接続は、電気工事士の資格が必要です
- パネル同士の差し込み式コネクタをつなぐ作業と、建物の解体などで系統から切り離した設備の撤去は、法令上は資格が要らないとされています
- 資格が要らないとされる作業でも、日が当たれば発電するため、電気工事の知識と経験がある人が行うことが望まれます
- 外して戻す脱着には、資格が要る工程が必ず入ります。外す前の系統の切り離しがその1つで、戻すときに電線を接続箱へつなぎ直す場合も資格が要ります
ご自宅や現場の設備でどの作業が必要になるかは、点検・現地調査のあとにご案内します。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

